1200年ほど前、比叡山の高僧・円仁法師が白鷺に導かれ発見したと伝わる、湯郷温泉。その温泉街の東部に位置するのが『季譜の里』。
石畳のエントランスを抜け、館内へ足を踏み入れると、木々を用いた大きな生け花とモダンな家具が配された畳敷きのロビーが広がる。
温泉付きのランチプランなら、高級感漂うこの旅館を日帰りで利用できる。まず、瀬戸内海と日本海の幸、季節の野菜など旬に彩られた会席料理を、庭を望む食事処や個室でゆったりと。「出来たてのおいしさを」と料理は一品ずつ提供され、その絶妙なタイミングにスタッフのホスピタリティの高さが感じられる。食後は、時間が許す限りの湯浴みを。庭園を望む内湯と露天風呂、天然鉱石を使用した薬石蒸風呂に身を委ねれば、心も身体も解き放たれるよう…。
館内には随所に花が生けられ、自然をたたえたそのあしらいに癒やされる。数時間の滞在とは思えないような充足感。大人のための極上の時間を約束してくれる。
「花を楽しむ、なごみの宿」をコンセプトに掲げる旅館。華道家の手により館内に生けられた花々は、約70にものぼる。接客にはマニュアルがなく、一人ひとりのゲストに合わせたもてなしで迎えてくれる。そのため、記念日など特別な日の利用も多い。