江の川水系、角谷川にある高さ18m、幅5mの島根の名水「ふるさとの滝」のひとつに数えられる滝。
この滝には、赤馬(赤毛の牛)の悲しい物語が言い伝えられている。
ある年、銑鉄の運搬役に使われていた一頭の赤毛の牛に仔牛が産まれ、毎日親牛の後ろをついて小路を往復していた。
その仔牛がある日誤って足を滑らせ、絶壁を滝壺へと転落し底深く沈んでいった。それを見た母牛はたいそう悲しみ、しばらくうちひしがれた様子で荷物の輸送にあたっていたが、数日後、滝の上にさしかかると、ひと声悲しく鳴いて仔牛のあとを追うかのように滝壺に身を投じた。
里人は、この出来事を哀れんで、以来、この滝を「赤馬滝」と呼ぶようになった。